低価格自動導入経緯台「スカイウォッチャー ヴィルトーソ」での15cmF5ニュートン反射望遠鏡の運用’24年9月14日

機材

今回は、低価格ながらも自動導入が可能な経緯台、スカイウォッチャーの「ヴィルトーソ」を使用して、15cmF5ニュートン反射望遠鏡を運用してみました。このヴィルトーソは、手軽に天体を自動追尾できる経緯台として人気があり、初心者から中級者まで幅広い層に支持されています。今回の運用においても、その性能を十分に引き出すことができました。

全体のセッティングは、掲載した写真の通りです。見た目にはかなりトップヘビーに感じられるかもしれませんが、実際には非常に安定しています。通常、ヴィルトーソは地面に直接設置するのが基本ですが、今回は大型のカメラ三脚に載せて運用しました。これにより、設置場所の自由度が増し、高さも稼げるので、観測がより楽になります。

ヴィルトーソと15cmニュートン反射

この15cmF5ニュートン反射望遠鏡は、アルミ合金製の鏡筒を採用しているため、非常に軽量です。しかし、経緯台に搭載できる鏡筒の長さとの兼ね合いで、バランスウェイトを使用しました。これにより、鏡筒と架台が干渉せず、バランスも取りやすくなっています。ウェイトを調整することで、安定した観測が可能になりました。(VX6は短期間だけシュミットで販売されていましたが、すぐに終売になっていました。なにか問題があったのでしょうか?)

バランスウェイト
鏡筒と架台のクリアランス

アライメントと導入精度について

今回はベランダからの観測だったため、北天が全く見えませんでした。そのため、ブライトスターアライメントという方法を選びました。具体的には、月だけを基準にしてアライメントを行いました。本来であれば、ツースターアライメントの方が導入精度が高まりますが、限られた条件下ではブライトスターアライメントでもある程度の精度が得られるようです。

アライメント後、まずは土星を導入してみました。使用したアイピースは2インチの40mmで、倍率は約19倍です。この組み合わせだと視野は約2.7度になります。アイピースの正確な見かけ視野はわかりませんが、2インチ40mmのアイピースだとおおよそ50度程度だと仮定して計算しています。導入後に微調整を行い、視野の中心に土星を収めることができました。

その後、★のマークをタップしてアルタイルを導入してみましたが、こちらも視野内にしっかり収まっていました。この結果から、ヴィルトーソの導入精度は十分高く、実用レベルでの観測が可能であることが確認できました。

メシエ天体の観測結果

続けて、M27(亜鈴状星雲)、M2(球状星団)、M15(球状星団)も導入しましたが、これらもスムーズに視野内に捉えることができました。自動導入の便利さを改めて実感しましたが、光害地の観測であったため、存在が確認できた程度です。空の暗い遠征先での観測が楽しみです。

ベランダ観測の限界と今後

ベランダからの観測では、どうしてもアライメントが制限されることが多く、観測できる天体も限られてしまいます。そのため、より広範な天体を観測するためには、やはり遠征が必要だと感じました。特に空の暗い場所での観測は、淡い天体の観測に適しており、次回は遠征して本格的な観測に挑戦したいと思います。

眼視観測と写真撮影の違い

ヴィルトーソは眼視観測には非常に優れた性能を発揮しますが、天体写真を撮る場合には少し課題があります。特に経緯台であるため、視野回転の問題が避けられません。そのため、天体写真を本格的に撮影するのであれば、視野回転のない赤道儀の方が適しています。また、電子観望でも口径15cmは大きすぎる印象があり、眼視での使用が最も適していると感じました。

これからの計画として、次回は遠征してさらにクリアな空の下で眼視観測を楽しんでみたいと思います。特に星雲星団を楽しむための観測を目指して、より多くの天体を導入し、その性能をフルに引き出したいと思っています。

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